「算数編」の活用にあたって

 

<「算数編」について>

「算数編」は,小学校1年生から4年生までに学習する主な基礎的な学習内容を中心として,下記のような内容につまずきのみられる子どもたちについて取り上げました。

@ 聴覚記憶力・言語理解力に弱さをもつ子ども

〔つまずきの特徴〕

   <数概念> ・数唱や数字の読み書きなどの初期学習でつまずく

         ・数系列に関連する学習が困難

         <計 算> ・計算が苦手(特に暗算や九九)

    <文章題> ・設問文の読みや理解が難しい

         ・単位をつけるのが苦手

    <図 形> ・図形や部位の名称を覚えるのが苦手

〔指導のポイント〕

 数字の読み書きや系列処理への負荷を減らす

 言語能力,読み能力を考慮した教材を用意する

 絵や具体物など視覚的手がかりの利用

A 聴覚記憶力は良好だが,言語理解力・論理的思考力に弱さをもつ子ども

〔つまずきの特徴〕

 <数概念> ・数唱,数系列,数字の読み書きなどの習得は良好だが,理解が難しい。

         ・設問のパターンに依存しやすい

   <計 算> ・計算の習得は良好だが,現実の物との対応ができない。

   <文章題> ・設問文の理解が難しい

         ・四則演算の使い分けが難しい

〔指導のポイント〕

 生活に即した題材を用い,汎化を促す

 言語能力を考慮した教材を用意する

B 視覚認知能力に弱さをもち,不器用な子ども

〔つまずきの特徴〕

   <数概念> ・量概念の獲得が難しい

         ・数字を書くことが苦手

   <計 算> ・筆算の桁をそろえて書くことが難しい

         ・筆算の操作が定着しない

   <図 形> ・定規やコンパスの操作が苦手

<量と測定>・長さや大きさの目測が苦手

         ・目盛りの読みとりが苦手

〔指導のポイント〕

 言語的手がかりの利用

 設問の配置・ノートのマス目・道具の使いやすさなどに配慮する

 絵や具体物など視覚的手がかりの利用

 

<主にどんな能力が算数の学習に影響していますか?>

「数概念」-----聴覚記憶力・視覚認知能力・言語理解力

「計 算」-----聴覚記憶力・視覚認知能力・手先の巧緻性

「文章題」-----言語理解力・論理的思考力・読み能力

「図 形」-----視覚認知能力・聴覚記憶力・手先の巧緻性

 

<「算数編」の特徴は?>

 ○ 基本的な算数の領域(数概念,計算,図形・量と測定)において,学習障害児等がつまずくと思われる内容を取り上  げ,授業中に活用できるよう,できる限り教科書に沿う形で作成しました。

  ○ 専門の担当者でなければできないような学習サポートプログラムではなく,だれでも(担任及び担任外教職員),どこで  も(教室内・外)手軽に使えるものにしました。

 ○ 指導展開例とワークシートをセットにして,すぐに活用できるようにしました。

 ○ 個別指導だけでなく、小集団・自習ドリルなどいろいろな場面で活用できるようにしました。

 

<活用の手順は?>

こんな子どもに

つまずきや様々な困難を示す子どもを例示してあります。

どうしてかな?

いろいろな角度から,実態を分析し,原因を考えます。

ね ら い

ポイントを絞って,ねらいを立てます。

こんなやり方で

子どもの長所を生かした指導方法で展開します。

<配慮することは?>

 ○ 「算数編」を活用して,子どもにできる喜びを持たせ,自信を持って様々な活動に参加できるように支援しましょう。

  ○ 「算数編」は,学習障害児等だけでなく,すべての子どもたちのために活用できる内容になっていますので,クラスの  子どもたちが協力しあって学習できるように支援しましょう。

  ○ 「算数編」は,あくまでも1つのサンプルにすぎませんので,目の前にいる子どもの実態や興味関心に合わせて,その  子どもにあった学習サポートプログラムを工夫し,作成してください。



この「算数編」が,学習障害児等の学習態度や集中力の向上への一助になればと願っています。

 

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