「国語編」の活用にあたって

 

 <「国語編」について>

この冊子「国語編」は,『聞く・話す・読む・書く』を中心として,下記のようなタイプの子どもたちについて取り上げました。

 ◇ 聞こえていてもことばの意味を理解することが困難な子ども(聞く)

◇ 物事を順序よく話したり,伝えたりすることが苦手な子ども(話す)

◇ 形の似た文字を混同したり,行をとばして読んでしまう子ども(読む)

 一文字ずつ読めるのに,語句や文として読みとることが苦手な子ども(読む)

 鏡文字になったり,形の整った文字を書くことが苦手な子ども(書く)

◇ 単語は正しく書けるが,文章の表記では混乱しやすい子ども(書く)

この「サポートプログラム」が,学習障害児等の「学習態度の育成」「集中力の向上」に向けての一助になればと願っています。

 

 

<つまずきの原因となるものには,どんな能力や認知の力が考えられますか?>

 注意の問題(注意の持続)

 記憶の問題(長期記憶・短期記憶)

 聴覚的能力(音への気づき,音の聞き分け,音の選択,聴覚的記憶)

 視覚的能力(図と地:背景から見たいものを選んで見る能力,視空間認知,視覚的記憶など)

 不器用さ(目と手の協応,ごく軽い感覚の鈍さなど)

 メタ認知(自分のしていること,自分の考えていること,自分の言っていることについて,それでよいのか,改善すべきなのか,修正する力)

 

<「国語編」の特徴は?>

 学習障害児等のつまずき傾向として考えられるいろいろなタイプの児童生徒を想定して,国語科の内容(聞く・話す・読む・書くの4領域)を中心に作成しました。

 専門の担当者でなければできないような学習サポートプログラムではなく,だれでも(担任及び担任外教職員),どこでも(教室内・外)手軽に使えるものにしました。

 指導展開例とワークシートをセットにして,すぐに活用できるようにしました。

 小集団・自習ドリルなどいろいろな場面で活用できるようにしました。

 

<活用の手順は?>

こんな子どもに

つまずきや様々な困難を示す子どもを例示してあります。

どうしてかな?

いろいろな角度から,実態を分析し,原因を考えます。

ねらい

ポイントを絞って,ねらいを立てます。

こんなやり方で

子どもの長所を生かした指導内容を組み立てます。

 

<配慮することは?>

○ サポートプログラムを活用して,子どもにできる喜びを持たせ,自信を持って様々な活動に参加できるように支援しまし ょう。

○ サポートプログラムは,学習障害児等だけでなく,すべての子どもたちのために活用できる内容になっていますので,ク ラスの子どもたちが協力しあって学習できるように支援しましょう。

 学習サポートプログラムは,あくまでも1つのサンプルにすぎませんので,目の前にいる子どもの実態や興味関心に合 わせて,その子どもにあった学習サポートプログラムを工夫し,作成してください。

<「聞く」教材一覧表>

No

こんな子どもに

ねらい

教材(ワーク)

指導場面

聞き取りが苦手な子ども

・聞くことに集中する。

・相手の話を理解する。

・ことばを記憶する。

迷路ゲームをしよう

個別

記憶することが苦手な子ども (PDF224KB)

・聞くことに集中する。

・文章の内容を理解する。

お話クイズをしよう

個別

グループ 

聞くことに集中できない子ども

・聞くことに集中する。

・ことばを正確に聞き分ける。

・聞いたことばを覚えておく。

電話あそびをしよう

個別

聞き間違えのある子ども (PDF162KB)

・聞くことに集中する。

・相手の話を理解することができ る。

・ことばを記憶する。

おつかいゲームをしよう

個別

グループ

 

<「話す」教材一覧表>

No

こんな子どもに 

ねらい

教材(ワーク)

指導場面

ことば数の少ない子ども

・正しい発音ができていることに気づく。

・語彙を増やすことができる

・リラックスして話ができる。

・自分のことばに自信を持つことができる。

おはなしすごろくをしよう(質問について話をしながらすごろくのようにゴールをめざす。)

個別

グループ

語彙が少ない子ども

・正しく音節を聞き取る。

・テーマに関わりのあることばを集める。

・いろいろなことばを記憶することができる。

・場面にあったことばを見つけることができる。

文字ビンゴをしよう

個別

グループ

文法的に誤りのある不完全な文で話す子ども(PDF179KB)

・助詞を正しく使う力を高める。

・文の意味をよく考えることがで きる。

・正しい文で短い文章が言えたり 書けたりできる。

正しいのはどれ?をしよう

個別

的確な言葉を見つけられなかったり,つまったりすることが多い子ども (PDF123KB)

・一つのことばでもいろいろな見方ができる。語彙を広げる。

・落ち着いてことばを考えることができる。

・わかりやすく話すことの大切さに気づく。

なぞなぞゲームをしよう

個別

グループ

相手が聞いて,わかるように話せない子ども

・事柄や順序を整理して話す力を高める。

・気軽に話ができる。

・文を意識できる。

先生と楽しいお話をしよう

4コマ漫画を見てお話をしよう

個別

グループ



<「読む」教材一覧表 >

No

こんな子どもに 

ねらい

教材(ワーク)

指導場面

ひらがなが読めない子ども

・2〜3の単語を比べ,同じ文字があることに気づく。

・絵を手がかりに,音をつかむことができる。

・同じ文字が同じ語音であることに気づく。

文字さがしあそびをしよう

★おなじじをみつけて□でかこみましょう

個別

グループ

促音や拗音を間違える子ども

・絵を手がかりに,促音の入った言葉を写すことができる。

・言葉を言いながら,正しいリズムで手をたたくことができる。

・文字の大小に着目して読むことができる。

・身近なものの絵を見て正しくことばを言うことができる。

・拗音の表記を理解する。

へんしんカードをつくろう

これなあに?

しゃのつくことばをさがそう

★小さな「ゃ・ゅ・ょ」のつくことば

個別

グループ

助詞「は」「へ」などを読み間違える子ども

・主語,述語に留意し,助詞を正しく使うことができる。

・「は,わ」の区別ができる。

・文節で切って読むことができる。

2つのサイコロを使ったことば遊びをしよう(ワークシートなし)

自習

個別

グループ

1文字1文字は読めるが,たどり読みになる子ども

・文節を意識して読むことができる。

・短い文を読んで,意味をとらえることができる。

命令ゲームで遊ぼう(ワークシートなし)

個別

グループ

一斉

文字の順序を読み間違える子ども

・単語カードを見て,文字カードを正しく置く。

・文字カードを一文字ずつ指で押さえながら正しく読む。

・単語カード,絵カードを正しく読む。

ことばづくりをしよう(□のなかにもじカードをいれましょう)

★まちがいカルタをしよう

個別

個別・グループ・一斉

文字を抜かして読んでしまう子ども (PDF79KB)

・ひらがなの文字列の中から注意を集中して意味のある言葉を探し出し,そのことばを読むことができる。

ことばさがしゲームをしよう

個別

グループ

文末を読み誤って,勝手読みをしてしまう子ども(PDF78KB)

・提示された4種類の文末が書かれたカードの中から,読まれた文と同じ文末のカードを見つける。

見た?見ました?ゲームをしよう

個別

グループ

行をとばして読んでしまう子ども

・注意を集中して提示された言葉と同じことばを文字列の中から見つける。

しろくまさんをさがそう

個別

グループ

文章の内容がつかめない子ども

・3行程度の単文を読みとって質問に答える。

どんなおはなしかな?

個別

グループ

10

ローマ字が読める子どもにしたい

・簡単なローマ字を読むことができる。

ローマ字たしざんカードで遊ぼう

個別

グループ

 

<「書く」教材一覧表>

No

こんな子どもに

ねらい

教材(ワーク)

場面

拗音や促音を間違えて書いてしまう子ども

・拗音,促音の表記の仕方を理解できる

・拗音,促音が入る単語の文字を書くことができる。

ちがいがわかるかな ゲームをしよう

個別

グループ

よく聞いてビンゴゲームをしよう

個別

グループ

見つけたよゲームをしよう

個別

自習

助詞「は」「を」「へ」と単語中の「わ」「お」「え」を混同して書いてしまう子ども

・助詞と単語の区別を理解できるようにする。

・具体的な動作を見て,適切な助詞を使い文を作ることができる。

くっつきのことばさがしをしよう

個別

グループ

助詞を正しくかけない子ども (PDF128KB)

・助詞の使い方が分かり,適切な助詞を入れて,文章を完成させることができる。

ジェスチャーゲームをしよう

個別

グループ

ひらがなを正しく書けない子ども

・ひらがなの形を覚え,正しく書くことができる。

うんぴつれんしゅうをしよう

個別

自習

文字の形がなかなかじょうずにとれない子ども

・始筆と終筆をしっかり確認しながら,はみださないように注意して,線を引くことができる。

線を引く練習をしよう

個別

自習

線を書こう

個別

自習

自分の思いを文章にすることが苦手な子ども

・自分のしたことをよく思い出し,いろいろな言葉を使って表現したり,文章を書いたりできる。

インタビューに答えよう。

個別

どんな味がしたかな?

グループ

黒板の文字を書き写すことが苦手な子ども

・文字を言葉のまとまりととらえて視写することができるようにする

板書の仕方のヒント

動物の名前を正しく書こう

個別

グループ

自分のしたことを順序よく文章に表現することが苦手な子ども

・楽しく文章を書くことができる。

・順序よく文章に表現できるようにする。

スイートポテトの作り方を書いてみよう

個別

マスからはみだし,文字と文字が重なってしまう子ども

・形の区別をすることができる。

・上下,左右などの位置を認識することができる。

もよう遊びをしよう

個別 


自習

10

鏡文字を書いてしまう子ども

・間違えやすい文字の形を覚えて書けるようにする。

まげて,まげて

個別

グループ

11

日課プリント・日記が書ける子ども (PDF94KB)

・書くことへの抵抗をなくし,1日の生活の見通しを持てるようにする。

日課プリントを書こう

個別