

1 研究主題

2 主題設定の理由
(1)本校の教育目標との関連
本校の学校教育目標とめざす子ども像は次のとおりである。
学校教育目標 きらりかがやく子の育み <自らの力で時代を切り開く自立した「個」> めざす子ども像 思いやりのある子 「やさしさいっぱいあったかハート」(徳) 進んで学ぶ子 「やる気いっぱいアクティブな学び」(知) 健康でたくましい子 「元気いっぱいパワフル生活」(体)
「きらりかがやく子」とは、自己と他者・個人と社会の相互関係の中で自分のよさを発揮し、
自己実現に向けて努力する子どものことである。具体的には次の3つがあげられる。
・自ら進んで判断し行動できる子→思考力・判断力が育まれた子
・集団の中で個を磨く子(協調性・社会性・創造性)→判断力・表現力が育まれた子
・長期的視野に立ってねばり強く夢を実現しようとする子→思考力・表現力が育まれた子
「やさしさ」と「やる気」と「元気」あふれる子どもを育むことが本校のめざすところであり、自分のよさを発揮し、自己実現をするためには、基礎・基本をしっかりと身に付け、自ら考え、判断し、行動する力が必要となる。教育目標を達成するための基本となる力の一つとして「思考力・判断力・表現力」を取りあげていく。
「思考力」とは考える力のことであり、多様な意見にふれながら課題に取り組み、自分自身の意見をもつ力ととらえる。
「判断力」とは、物事について個人的な判断をなすことのできる力のことであり、既習の内容の何をどう使えば課題を解決できるか、見通しをもつ力ととらえる。
「表現力」とは、自分の思いを正確に相手に伝える力のことであり、自分の考えを整理し、相手にわかりやすく話したり書いたりする力とらえる。
これらの「思考力・判断力・表現力」を育むことで、自ら進んで判断し、集団の中で個を磨きながら、夢を実現しようとする子どもが育つと考える。
(2)子どもの実態や今までの研究経過から
本校の学区は、近くに幕張メッセや大型店舗があり、比較的便利な場所に位置する住宅地である。子どもの住まいは集合住宅で、新しく移り住んできた家庭が多く、人と人とのつながりが希薄である。
子どもは明るく素直で、友達に対する思いやりの心も育ってきている。学習面では、知識が豊かで理解力もあるが、人とのかかわりの中で自分の思いや考えをうまく伝えたり、相手の言いたいことを理解したりすることが苦手な子どもも多い。
平成15・16年度(文部科学省学力向上フロンティア‐市教委指定‐)は、心の教育を基盤としてうたせ学習・国語・算数・道徳を中心に「確かな学力」を育んでいくための指導と評価の在り方について研究を進めた。
平成17・18年度はその中の算数科一本に絞って研究を継続した。算数科研究の取り組みにより、算数科におけるコミュニケーションの在り方を追究し、子ども同士の学び合いの学習スタイルが定着した。また、教師の指導力の向上が図られ、それに伴い子どもの学力も高まった。
さらに平成19・20年度は「確かな学力」を身に付けさせるために、国語科を中心とした取り組みの中で、「自分の思いや考えを生き生きと伝え合う子ども」を育む研究を行った。国語科研究の取り組みにより、人前で話すことへの抵抗感が少なくなり、したことや思ったこと・様子などを詳しく人に伝えられるようになった。また、朝の会のスピーチや国語タイムなど日常の言語生活を充実させることによって、国語への関心が深まり、自分の思いを進んで表現しようという意識を高めることができた。
21年度は、重点をおいて指導したい教科を選択して個人で研究を行った。各教科・領域において、新学習指導要領では何が変わるのか、変わらない本質は何か、それぞれが学んだことを全体に広めることができた。22年度は、研究教科を学校教育目標に関連させて、国語・体育・道徳の3つの教科・領域に絞って研究を行い「思考力・判断力・表現力」が身に付いた姿(評価規準)を明確にした。習得した知識・技能を生かして、思考したり判断したり表現したりして、課題を解決することができるようになってきた。
(3)新学習指導要領との関連
◎生きる力とは
変化の激しいこれからの社会を生きる子どもに身に付けさせたい「確かな学力」「豊かな人間性」
「健康・体力」の三つの要素からなる力
○確かな学力とは
知識や技能に加え、学ぶ意欲や、自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力
○豊かな人間性とは
自らを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心が育まれた姿
○健康・体力とは
たくましく生きるための健康や体力

確かな学力

豊かな 健康
人間性
体力
新学習指導要領では、「生きる力」の育成をめざし、基礎的・基本的な内容の確実な習得を図ることを重視している。また、「確かな学力」を身に付けさせるために、「習得・活用・探究」が一つのキーワードとなり、随所に「課題の解決のためには、基礎的・基本的な知識・技能を活用すること」と記述されている。そこで、「活用する力」を「課題解決のために習得した知識・技能を活かす力」ととらえ、そのために必要な「思考力・判断力・表現力」育てていく。
(4)今日的な課題から
21世紀は、新しい知識・情報・技術が政治・経済・文化をはじめ社会のあらゆる領域での活動の基盤として飛躍的に重要性を増す、いわゆる「知識基盤社会」の時代であると言われている。このような知識基盤社会化やグローバル化は、アイディアなど知識そのものや人材をめぐる国際競争を加速させる一方で、異なる文化や文明との共存や国際協力の必要性を増大させている。
OECD(経済協力開発機構)のPISA調査など各種の調査からは、わが国の児童生徒について、思考力・判断力・表現力等を問う読解力や記述式問題、知識・技能を活用する問題に課題があることがわかる。
変化の激しいこれからの社会を生きるためには、確かな学力、豊かな人間性、健康・体力をバランスよく育てることが大切である。
以上(1)〜(4)のような事柄を踏まえ、22年度は「思考力・判断力・表現力を育てる」授業をめざして研究を進めてきた。本年度も継続し、指導と評価の在り方についても明確にしながら研究を進めていきたい。
3 研究主題の考察
新学習指導要領では、「学校の教育活動を進めるに当たっては、各学校において、児童に生きる力をはぐくむことを目指し、創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で、基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させ、これらを活用して解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくむとともに、主体的に取り組む態度を養い、個性を生かす教育の充実に努めなければならない」とある(小学校学習指導要領
第1章 総則1より抜粋)。確かな学力を育成するためには、知識・技能の習得と思考力・判断力・表現力の育成のバランスを重視する必要がある。
このため、各教科において基礎的・基本的な知識・技能の習得を重視するとともに、観察・実験やレポートの作成、論述など知識・技能の活用を図る学習活動を充実すること、さらに総合的
な学習の時間を中心として行われる、教科の枠を超えた横断的・総合的な課題について各教科等で習得した知識・技能を相互に関連付けながら解決するといった探究活動の質的な充実を図ることなどにより思考力・判断力・表現力等を育成することとしている(小学校学習指導要領解説 総則編)。
思考力・判断力・表現力は、お互いに影響し合っているものと考えられる。例えば、「国語科で思考力を育てていきたい」と考えると、子どもにただ考えさせるだけでなく、言語で表現させることも必要となってくる。また、自分のもてる語彙の中から自己の価値観によって言葉を選択することは判断力であり、その判断が文章表現につながっていく。
思考・判断 観察・感受・直感 比べる・分ける・名付ける 類推 価値付ける 総合(帰納・演繹・題名付け) 関係付ける(マップ) 構造化(順序・階層化・ツリー型) 論理化 表 現 言語化 語句・語彙 文 談話・文章


本校の子どもは、全国学力学習状況調査等結果から見ても、「国語A」「算数A」といった、基礎的・基本的な知識・技能については十分身に付いているといえる。しかし、「国語B」「算数B」では、全国平均より得点は高いものの、知識・技能を活用するための思考力や判断力、表現力が普段の学習や日常生活で生かされているとはいえない。
そこで、各教科・領域において習得した知識・技能を活用させる機会を授業の中に意図的に設けたり、適切な指導を仕組んだりしていく。適切な指導のためには、的確に実現状況を把握するための評価方法が必要となるため、「思考力・判断力・表現力」が身に付いた姿(評価規準)をもとに評価方法を工夫改善し、「思考力・判断力・表現力」を高め、普段の学習や日常生活でも生かせるようにしていきたい。
4 各教科等における思考力・判断力・表現力
具体的に各教科・領域における思考力・判断力・表現力をどのようにとらえていくのか、22年度の例をあげてみる。
国語科において身に付けさせたい力



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<めざす子ども像>
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興味・関心にそった言語活動を行うことができれば、自分の考えをしっかりともち、より豊かな表現を追求する子どもが育つと考える。また、友達とかかわり合う中で他者を認め、友達の考えをもとにして、もう一度自分の考えを見直すなど、よりよい表現ができるようになってほしい。

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<めざす子ども像>

めざす子ども像としては、“体育の時間が待ち遠しい”、“今度の体育は何をするのかな”と「体育の時間が楽しみ」だなと思う子どもをたくさん増やしていきたい。そうすることで、学習の中で意欲的に体を動かす姿や上手になるために練習を工夫する姿、競い合ったり教え合ったりして技能を高め合う姿が多く見られると考える。

<めざす子ども像>
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下学年 上学年


道徳の時間において、登場人物の気持ちを考え、学級の友達と意見交換をする中で、自分の考えをはっきりさせたり、相手の立場を考えたりすることができるようにしたい。そうすることで、「約束を守ることは大切だな。」「相手の気持ちを考えて行動しよう。」などと、具体的に自分の今後の行動や生き方にかかわる気付きにつながり、人としてよりよく生きようとするようになっていくと考える。
各教科・領域における「思考力・判断力・表現力」のとらえ方はこの通りであるとは限らない。
昨年度と同様に、それぞれの教科・領域で、「身に付けさせたい力」や「めざす子ども像」をはっきりさせ、指導方法や評価方法を工夫していく必要がある。
5 研究の進め方
(1)研究を行う教科・領域の選択
22年度と同様に学校教育目標などに関連させて、国語・体育・道徳の3つの教科・領域に絞る。
国語 ←「確かな学力」「進んで学ぶ子」「やる気いっぱいアクティブな学び」「知」
体育 ←「健康・体力」「健康でたくましい子」「元気いっぱいパワフル生活」「体」
道徳 ←「豊かな人間性」「思いやりのある子」「やさしさいっぱいあったかハート」「徳」
(2)部会の設定
基本的に、それぞれの教科・領域、5名ずつ6部会に分かれて研究を進めていく。全体会以外の授業は、原則として部会のメンバー(5名)で見合い、授業終了後、部会ごとの協議会をもつ。
全体会で授業を行う教科・領域については、上学年下学年合同で検討を行う。指導案検討にも講師をお呼びする予定。
国語部会(森脇)⇒ 国語上学年部会(森脇) 国語下学年部会(井上)
体育部会(若松)⇒ 体育上学年部会(篠田) 体育下学年部会(若松)
道徳部会(小野澤)⇒ 道徳上学年部会(藤井) 道徳下学年部会(小野澤)
(3)教科・領域ごとのテーマ設定
選択した教科・領域において研究の的を絞り、研究テーマを設定していく。その際、思考力・判断力・表現力の中でめざす子どもの姿がイメージできるようにする。
(例)国語科・・・自分の思いや考えをもち、豊かに表現できる子どもの育成
体育科・・・子どもが生き生きと活動する体育学習のあり方
〜思考力・判断力を育てる場やカードの工夫〜
道徳・・・豊かな心でよりよく生きようとする子どもを育てる道徳指導の在り方
〜人とのかかわりを通して〜
部会ごとの情報交換の場として、また、研究を全体に広めていくために7月と1月に全体会を行い、成果と課題を報告する場を設定する。
(4)一人一授業
一人一人が研究テーマにそって取り組み、自主的に研究を進めながら授業公開する。
(年間3回:6月国語?・10月道徳?・12月体育?)
部会内に同学年が二人いる場合は、どちらか一人が指導案を書く。もう一人は指導案の「本時」を事前に展開し(もしくは、展開のみを書き)、授業を見合うようにする。
家庭科専科や音楽専科は、研修授業として家庭科や音楽の授業を展開し、学年内で見合う時間を別に設ける。