平成22年度の研究報告を掲載しています。
研究概要
- 研究部門
- 学習指導
- 研究教科等
- 国語
- 研究主題
- 読書生活者を育てるための学習指導法の改善
~学校読書コミュニティの創造~
研究内容
新学習指導要領では、各教科等の指導の中でも言語活動の充実を図っていくことが重要視されている。特に今回、小学校学習指導要領「C.読むこと」の各学年の内容には「読書活動」が位置づけられた。そして、学習指導要領では言語活動を通して指導事項を指導することが明記され、国語科の授業に、どう読書活動を位置付けていくかということが今、問われている。
そこで、本校では、読解と読書活動を関連付け、読書生活者を育てることが生活や各教科等の学習に生きてはたらく国語の力をつけると考え、授業改善を進めてきた。
(1) 研究の目標
- 国語科を中心とした読書活動の学習指導法や各教科・領域における読書との関連を図った学習指導法の手がかりを得る。
- 音読や朝読書など、日常的、継続的な活動や、掲示物などの言語環境を整備する。
- 児童自身が読書コミュニティの営み手となるような活動を取り入れるなどして、学校全体として読書活動に取り組む学校コミュニティづくりに取り組む。
(2) 研究の視点
視点1 学力を高めるための題材・単元構成の工夫
新学習指導要領では、実生活に生きる読書活動、また、課題の解決など、<思考力-判断力-表現力>を育む学習活動を充実させるために、目的をもち、必要な本を選んで読む読書活動を主体的に行うことが求められている。
本校においては、読書活動の工夫として、まず、たくさんの文章に出会わせること、そして、シリーズなどの並行読書を取り入れたり、関連図書を選んで読むことを取り入れたりして単元構成を工夫してきた。また、文学以外の教材により、より目的的な読みの視点を与えることを単元に位置付けることにより、実生活に生きて働く「読む力」を育むことができると考えた。
視点2 双方向型コミュニケーション
双方向型コミュニケーションというのは、単に伝え合うだけでなく、合意形成能力を培い、人間関係の調整をしていくことである。
子ども同士や、教師と子どもが一緒に励まし合ったり、知らないことを教え合ったりしながら、ともに成長していく場を取り入れて学習を進めることで、能動的で主体的な子どもたちを育成することができると考えた。
本校では双方向型コミュニケーションを取り入れる時に、低学年では互いを理解し、交流することの基礎基本を培うこと、中学年では、相手の意図を汲んで認めたり質問したりすることをできるようにすること、高学年では、一人一人を大切にして、相手の意見を認めて助言ができることを目指している。一人で学んだことをグループや学級で広め学び合うことで育まれるものを大切にしたいと考え、単元の中に双方向型コミュニケーションを取り入れてきた。
視点3 学習の見通し・振り返り・評価の工夫
本校では、単元の始めに児童とともに学習の計画を立て、学習課程を明確化し、課題を解決するプロセスが見通せるような状態を作るようにしてきた。
目的を持たせた言語活動を仕組むこと、学習の見通しをもってしっかりと考え表現させること、視点をもった振り返りをさせることで学びをメタ認知させ、向上的、自律的な児童の育成ができると考えた。
視点4 学校読書コミュニティづくり
読むことは、一人ひとりの内面に成立するだけでなく、読書コミュニティの共同の学びの中で育まれるものと考える。児童同士、親や教師と児童、学校図書館と学級文庫、近隣小中学校とのネットワーク、中央図書館と学校など、人的、施設面など様々なコミュニケーションを大切にし、そのコミュニケーションの輪が児童自身の手によって広げていけるようにすることが学校読書コミュニティづくりと考え、指導を進めてきた。
研究成果と今後の課題
成果
- 単元で身に着けたい力を明確に設定し、その力を育成するために言語活動を選ぶことで「言語活動を通して指導事項を指導する」という、新学習指導要領の意図に基づいた国語科の「読むこと」の指導案のあり方を提案することができた。
- 読む目的を明確にして本や文章を選んで読むことができるように、新聞の比べ読み、ブックトーク、シリーズ読書など様々な言語活動を取り入れた学習指導を展開することができた。
- 研究を進めるに当たっては、学級担任だけでなく、図書館指導員、養護教諭、事務職員、栄養士、技能員など学校全体のすべての教職員で共通理解しながら取り組むことができた。
- 国語の指導計画として、読書生活の耕しを意識しながら単元を構成することができた。
- 理科・生活科・音楽科・図画工作科など、各教科と関連付けた指導を行う試みができた。
課題
- 読むことの力をつけるための言語活動と指導事項の関係をさらに具体化していく必要がある。
- 学習の見通し―振り返り―評価のプロセスを継続し子どもたちに十分浸透させる必要がある。
- 児童が主体となった読書コミュニティを確立させていく必要がある。
